14日にfaxとメールで高校生から相談を受けました。
夜になって連絡先がわかり、急いで電話をかけました。
10日に事故に遭ってから、背中が曲がり、下半身が動かず、ダンボールのなかでご飯も食べないで衰弱しつつある野良猫の相談です。
事故直後に連れていった病院では、前脚に包帯を巻いたほかは特別な治療はなかったそう。
おしっこは自力でできるとの話でした。
そのまま4日が経って、消えていく命を前に、何とかしたいと若い高校生は動き出されたのでした。
事態を把握した翌15日の早朝、あきこさんが高校生と猫をお迎えに行かれ、いつもCAPINに協力くださっている病院で診察をお願いしました。
包帯をまいただけの前脚はねじれ曲がって、膿が出ていました。
そして、膀胱はおしっこでパンパン。
脊髄損傷で排尿できていませんでした。おしっこはもれていただけ。
緊急手術を要する状況。でももう間に合わない?
生かすなら、これからずっと、圧迫排尿が必要とのこと。猫にとっても保護主にとっても一大事です。
あおともさんも病院に駆け付け、お仕事のあきこさんに代わり高校生を送ってくださいました。
事故にあったら時間が勝負です。「24時間以内」かどうか。
MRIなどの設備のある都心の病院へ、とにかく急ぎました。
昼に到着すると、4~5人の獣医さんが出て来て下さり、猫の診察&話し合い。
院長先生が14時過ぎに来られるまで、猫はオペ室へ。
院長先生の所見では、やはり、もう手術しても脊髄は戻らないとのこと。24時間以内が勝負だった、と言われました。
(これまでも、事故の直後にすぐに処置をしなかったため、無為に時間を経過させて助からなかった命がありました。ここに駆け付けるたびに、「24時間以内でなければ」と何度言われたでしょう。一刻も早く神経の圧迫を取り除かなければ、無理だそうです。)
前脚は、切断しなくても治るはずだそう。
前脚があれば、生きていけます。
ただし、条件があります。
私たち人間が、おしっこ出しをさせる技術を習得し、毎日2~3回、排尿させること。
capinボランティアたちの、猫の排尿の特訓が始まります。
栗ぼうもしかり。
この猫さんはまだ半年くらい。
これからが、まだ長い!
しかも野良なので、シャーと威嚇し噛みつきます。
犬と違って、膀胱破裂も起こしやすい猫の排尿。
さあ。
生かすと決めたら、やるしかない。
長い長い道のりが待っています。
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CAPIN会員メールより抜粋
<M博士さんより>
自力で排尿できそうにないですか。
それは困りました。
体格が小さいので犬よりは楽ですがそれでも、かなりの負担になると思います。
依頼者の自宅は、ネコ禁止だそうですが、それでも依頼者に頼めないでしょうか。
形だけの規則の場合もありますので、よろしければ、私がご両親にお願いしてみます。
強制排尿は私もヘタクソです。
完全に排尿できれば、一日一回の排尿で大丈夫だと思います。
私は完全に出せないので、朝晩2回排尿させています。
強制排尿の難易度は、どの程度神経が生きているかによるそうです。
たとえば、完全に神経が死んでいると、垂れ流しなので、汚いですが、ある意味楽です。
ユキも完全ノラでしたので最初は私の手が動かなくなるぐらい咬まれまくりましたがある日から突然大丈夫になりました。
懐かしいです。
シェルターで飼うときは、もちろん手伝います。
M博士
おかめさんが書いた内容:
あきこさんがメールに流して下さった、高校生から保護依頼のあった事故猫についてご報告致します。
昨日事務局にfaxが届きました。
夜になってシェルター&ハンサム病院から帰宅し、あきこさんと、10時過ぎにfaxをみつけました。
連絡先があったので問い合わせたところ、病院で治療を受けぬまま、ダンボールにずっと入れられて3日も食べないとのこと。
命を助けたいとの高校生の気持ちもよくわかり、ラインの皆さんにも相談してみました。
助けようとの声があがり、すぐに理事で話し合い、シェルター収容の方向で動くことになりました。
CTもMRIも備え、獣医さんが4~5人控え、アメリカ帰りの「神の手」と言われる獣医さんの運営する動物病院にすぐ電話を入れて予約をとり、向かいました。
ここは、死にかけたチャッピーの心臓の手術(フィラリア除去)もお願いしたところです。
前脚はギブスの固定で治るだろう、そして背骨は24時間以内でないと無理だと言われました。
圧迫排尿が2~3回は必要です。
くりちゃんの排尿のほかに、猫の排尿もしなければなりません。
プロとして安楽死を勧められましたが、精一杯やるので生かしてくださいと頼みました。
高校生の願いですから。
とにかく入院となりました白系のシャムmix、小さくて7ヶ月位にみえます。
下半身が動かないので弱々しく見えますが、かなりの野良っけで、シャーとかぶりつきます。
獣医さんは指を深く噛まれてしまわれたそうです。
気をつけてください。
排尿させるときは、一人がタオルなどで顔を押さえ、もうひとりがお腹を押す、というようにしなければ。
今回は、ドラメイさんやともちゃんが、この子の預かりを申し出てくれました。
ありがとうございます。
でも、このような状況ですので、まずはシェルターに置くことにします。
野良なので難しいですが、ハンデがあると、おのずと人を頼るようになります。
若いし、ぜったいに慣れます。
今は痛みがひどいのだと思います。
<重要!>
犬と異なり、猫は膀胱破裂が多いそうです。
圧をかけるとき、均等に、ゆっくり、を心がけて行います。
まずは、獣医さんの指導を受けた人のみで排尿させたいと思います。
この猫さんの排尿担当シフトに入って下さる志願者さまは、まずは動物病院での講習を受けて頂くことにしますので、おかめまで、ご連絡ください。
Mはかせさんは、同じように事故で排尿困難の下半身不随のユキちゃんを飼われています。
この子はオスでしたか。
はかせさんは、この道のプロです。
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