犬たちが、禿げ上がった毛のない体を掻きむしり、悲しい鳴き声をあげ続けています。
ノミダニのアレルギーとのこと。
28日に入った福島の多頭飼育現場では、15頭の犬たちを片っ端から押さえつけ、全頭に何とかフロントラインをつけました。
毛が生えて皮膚が治るまでは毎月つけていかねばなりません。
皮膚が治るまでは見守ります。
1ヶ月後にはすぐまたフロントラインが必要になります。
少し離れた場所には、(飼い主さんによれば)約50頭の犬がおり(似たようなワンコが走り回っていて区別がつかず何匹か不明、おそらくもっと少ない)、そのうち禿げかかっている犬もおりました。
少なくとも5頭はすぐに薬を与えなければならない、できれば全頭50匹に。
全部で15+50匹。
とにかく沢山の頭数がおりますので、余っているフロントライン(期限ギリギリでもOK)がございましたら送って下さいますとありがたいです。
送付先のお問い合わせ: info@capinew.jp
他にあるとありがたいものは、ビルコン、ハイター、スプレー容器、ゴム手袋、長靴、
(使い捨てにするので、古いもので十分)毛布、バスタオル、シーツ、(古い)割烹着、マスク、(頭の)ビニールキャップ
ゴミ袋(透明で中が見えるもの、市町村の名前がないもの)
スポンジタワシ、(ネズミの入らない餌入れ)コンテナ、掃除機
この子の皮膚病は複雑なものかもしれません。
真菌でないとよいですが。
すぐに効果の出るお注射はないのでしょうか? 何とかしてやりたいです。
こたつのなかで、丸禿げの犬たちが痒くてヒンヒン泣いています。
ゴミをまとめ、外に出し、古いこたつ布団を捨て、新しいものを敷きました。
応急処置でハイター・スプレーをまき、敷物を捨てて新しい新聞や布を敷きました。
でないと皮膚は完治しません。
糞尿でじっとり重くなった新聞紙や布が、部屋にも廊下にも至る所にしきつめられ、
剥がしても剥がしても床が見えてきませんでした。
数センチ掘り起こして床やタイルが見え、板やタタミは尿で腐っていました。
取り替えても、おそらく1週間後には、また汚れてしまっているでしょう。
5月3日にまたお掃除に入ります。
茨城だけでも悲惨なのです。まったく手が届いていないのです。
「終わりのない、「助けて!」の声が届くけれど、私たちには「助けて!」と言える場所がないね」
と、たくさんの動物を保護してきたAさんが、ポツリと言いました。
でも、見て関わってしまったものには、精一杯の努力をすることしか選択できません。
被災地、特に、これまでの国策により放射能汚染の被害を受けてしまった福島は、お子さんやお母さんの健康と安全もないがしろにされているような未解決ぶりです。
福島を見捨てることは人の道ではない、全国で声をあげて、福島の人と命と自然をサポートをするべきだと思います。
人手がほしいです。
継続しなければ、もとに戻ってしまうでしょう。
見上げる吾妻連峰の、吾妻小富士の斜面には、まだ雪ウサギが形を崩して残っています。
更に高い一切経山は積雪で純白。
でも、麓にある多頭飼育犬のシェルターには、見事な八重の桃が満開でした。
もうすぐ吾妻スカイラインが開通し、行楽シーズンを迎えるでしょう。
犬たちにも本当の春が来るように。
そのためには、飼い主さんに春が来るように支援をしなければ。
犬猫助けは、結局は人助けに尽きます。
まずは犬のためにも、おばあさんに、健康で長生きをしてもらわなければ。
この犬たち全頭を誰が引き取れるでしょう。
おばあさんが亡くなれば保健所送りです。
毎年20万の殺処分が行われているにも拘わらず、ペットショップで子犬子猫が売られ続けているわが国の貧困さを、虐待や多頭飼育崩壊があっても動物たちを引き取って緊急保護をする公的なシェルターがないために、助けてあげることができないわが国の貧困さを、私たちはどんなに身もだえして声をあげても、変えることができなかった、これまでの動物愛護法改正。
業界を守る厚い壁を、どうすれば打ち破れるのでしょうか。
精神の貧困さを象徴する「不作為」「無関心」「ことなかれ主義」は日本の社会の隅々にまではびこっています。
これに立ち向かっていくための、武器がほしいです。
国民の声がほしいです。
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