昨年3月11日に発生した東関東大震災は、多くの人々に多大な被害を与えたばかりでなく、数多の動物たちにも甚大な被害を及ぼしました。
昨年10月より、当ネットワークCAPINも構成団体の一つとなった全国動物ネットワークが中心となり、福島県の被災動物救出の後方支援のため、茨城県内にシェルターを設けて、預かり・譲渡を行ってまいりました。また、ANJ(全国動物ネットワーク)のHPを通じてシニア救援隊にご応募下さった方々にもお声をおかけし、12月に環境省・福島県に立入許可を申請し、圏内にて行った救出活動で引き出した動物の収容も行いました。
私たちの行ったことは、規模も頭数もごくわずかで、ほんとうにささやかな活動であり何もできなかったに等しいですが、命ある動物の権利とは何か、人と動物との共生とは何か、避難時にどうあるべきか、人とは何か等、多くの課題を「現場で」考えることができました。
この度、同震災が契機となって命を落とした多くの動物たちを忘れないため、シェルターの運営にあたって多大なご尽力を頂いた皆様をお招きし、9月16日、シェルターにて「東関東大震災被災動物の碑建立の集い」を開催することになりました。
石碑は、石の町、茨城県真壁出身のCAPIN会員ティオさんがご寄付下さることとなり、7月から準備を進めて参りました。
石碑の碑文はCAPIN理事さんがブログ上にて全国の皆様から募集を行いました。
たくさんのご応募を誠にありがとうございます。
読めば読むほどに、皆様の、亡くなった動物たちへの鎮魂の思い、嘆きの強さが伝わって参ります。
犬や猫ばかりでなく、牛、豚、トリ...多くの動物の命が失われました。
国民は国会に請願をし、要望書を送り、公開質問状を提出しましたが、未だに回答はありません。
今夏の愛護法改正でも同伴避難は盛り込まれませんでした。
一時帰宅もエサやりもペット持ち出しも禁止され、救助に行きたくても行けない住民の、数ヶ月いや一年以上にわたる思いにきちんと向き合う法律を整えるべきではなかったか。
数ヶ月後にみつけた亡骸を抱えて号泣する住民の方に寄り添う施策を打ち出すことはできなかったのか。
再び災害が発生したとしても、今回の法改正では同伴避難は必ずしも保証されません。
畜産動物は現状維持のままです。
つまり、「何も変わっていない」のです。
あれだけの惨事を経験した日本が、「何も変わっていない」のです。
これが、私たちの国の現実です。
「でも私たちは、飢えと渇きで亡くなっていく、牛たちの最期の鳴き声が忘れられないのです。
あんなに悲しいことがあったのに、何も変わっていないのですか?
今度同じことが起きても、あの豚や牛をまた助けてあげられないのですか?
法律が変わらなかったなんて、そんなの嘘でしょう?」
(南相馬の住人の声)
議員たちに聞きたい、法改正でなぜ国民の声を反映しなかったのか。
獣医師たちに聞きたい、専門職としてなぜもっと声をあげないのか。
動物に関わるすべての人にお願いしたい、言葉を持たない者たちの代弁者になってください、
動物には、その子には、あなたしかいないから。
動物が被った悲劇、これは人災。
いまだに現在進行形、救助活動は続く、探し続ける住民がいて、見捨てない意志のボランティアがいて。
震災で命を落とした動物たちを忘れない、これは、決意の石碑です。
あの失われた命は、これからの動物を、植物を、地球を、いのちを見守る存在として、ずっとこれからも輝き生きるのです。
風がささやいた
冷たかったね あの日の雨は
花がささやいた
さみしかったね あの日から
人がささやいた
ごめんね 忘れないよ きみたちのこと
この丘から羽ばたいて
総ての命を見守る星になれ
***
今度生まれてくるときは
原発と殺処分機のない時代
(たくさんの詩のご応募ありがとうございました。)
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