このシェルターでは、脱走防止と感染症予防にとても気を遣っています。
エイズの子は部屋を別にしているのはもちろん、
同じ部屋の子猫たちも、兄弟や生育環境の同じだった子はいっしょにしていますが、
血液検査や便検査が終わるまでは基本的にはケージで個別にし、
じゃらし棒も共用せずに、注射器も使い回しません。
ワクチン未接種の子はこの多頭飼育シェルターには連れてこない、
入れた人が責任を持って医療の確認を行う、
血液検査・便検査の済んでいない子はフリーにしない、など、
CAPINシェルタースタッフ誓約書を交わしています。
トイレの共用で、ほかの猫にコクシや回虫がうつってしまったら?
また、全員に、投薬と検査の苦労を繰り返すことになります。
一時の「かわいそう」で行動すると、苦しむのは猫であり、世話を日常的に行う人です。
猫の健康と早急な譲渡を第一に考えれば、スタッフ間の約束事を厳しく決めていくしかありません。
体調の悪い猫は隔離し、感染を防がなければなりません。
隔離するスペースが必要となり、その分、助けられる猫の数が減る、という悪循環を防ぐためにも、
うつる病気は押さえ込みたいものです。
エイズや白血病だけでなく、パルボ、真菌、猫インフルエンザ、カリシ、FIP、ジアルジア菌、回虫、こう虫、マンソン裂頭条虫、コクシジウムなど、猫にはいろいろな病気があります。
それを一通り経験すれば、病気の治りにくさ、感染の強さが身にしみてわかるようになります。
何より猫のからだの負担、そして治療に要する経費、病院搬送や投薬の苦労や手間を減らしたいから、
感染症予防の徹底はどこのシェルターでも基本になっています。
建物をひとつにしている限りは、空気感染もあるので、もちろんすべてを完璧にすることは不可能ですが、
ワクチンを摂取する、猫をmixしない、手をビルコンやクロルクリーンで洗浄するなど、最低限のことに人が気をつけて管理をすれば、感染もだいぶ封じ込めます。
体調を崩しやすく、何かあれば目や鼻にトラブルを起こす猫は、
シェルターのような多頭飼育の現場では、ほんとうに気をつけて世話をしなければなりません。
これをスタッフの全員に徹底するのは至難の技です。
が、こうした苦労は、みんなにとってのよい勉強になります。
みんなが覚えて、みんなが助けられる人になればそれが犬や猫のためになるから。
シェルターでは感染症を予防するために、いろいろと気をつかっていますが、頼みの綱は
アンテック・ビルコンです。
定量を水に溶かした液をスプレー容器にセットして、それを常用しています。
猫を触ったら、手にスプレー。シュッ!
台にもカーテンや布ものにもスプレー。シュシュッ!
洗濯物は、1~2晚、ハイター希釈6倍で浸け置き。
ウイルスを除去するためです。シェルターでは病気との闘いが続きます。
冬に比べれば、今はまだ、楽なほうですが。
気を抜くことはできません。
8月11日、nekonekoさんに追加でビルコン・スプレーを新しく作って頂きました。
薄まった液には粉を足して濃度をあげてもらいました。
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